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腰痛・肩こり相談所
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※名古屋高速をご利用の場合は、「錦橋出口」を出てすぐにUターンしてすぐの西柳町交差点の左角に当院があります。
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【監修】医学ジャーナリスト 松井宏夫
 

人間の体の中心を支える背骨(脊椎)は、頚椎・胸椎・腰椎・仙椎・尾骨に分かれ、頚椎は7個・胸椎は12個、腰椎は5個の椎骨から成り立っている。椎骨と椎骨の間には推間板と呼ばれる軟骨があり、この部分が背骨の動きをなめらかにし、衝撃を吸収するクッションの役割を果たしている。椎間板の中央にはゼラチン状の髄核があり、その周辺には線維輪という繊維状の組織(医学では繊維のことを線維と表記する)が取り巻いている。
椎間板ヘルニアは老化や強い外圧によって椎間板の線維輪が損傷し、その中の髄核が線維輪を突き破って脱出、あるいは髄核が線維輪の一部を後方に押し出し、神経や脊髄を圧迫する病気である。腰痛の代表的な疾患である腰椎間板ヘルニアのほか、頸椎椎間板ヘルニア、症例数の少ない胸椎椎間板ヘルニアがある。

特に患者の多い腰椎椎間板ヘルニアは、激しい腰痛を伴うことが多く、下肢に感覚障害を起こすことがある。第一に保存療法が選択され、局所安静、消炎鎮痛剤の服用や神経ブロック注射による薬物療法、患部の牽引療法や温熱療法などでほとんどの症状は改善する。しかし、保存的な加療で改善が見られず、疼痛や神経症状が顕著な場合は外科的治療が適応されることになる。
手術では腰椎後方の背面を切開し、髄核を摘出するラブ法(腰椎椎間板ヘルニア摘出術)が根治的な術式として一般的である。しかし、最近では保存療法と手術の中間に位置する治療法として、切開せずに髄核を取り除く低侵襲治療が盛んに行われている。髄核を取り除くために細かい金属の管を用いる経皮的髄核摘出術、同じく内視鏡を用いる内視鏡下椎間板ヘルニア切除術などがあるが、中でも経皮的レーザー椎間板減圧術(以下PLDD=Percutaneous Laser Disk Decompression)は、日帰りの可能な治療法として注目されている。
 

PLDDは、X線透視下で皮膚の上から椎間板に直径約1mmの針を刺し、針の中に細いレーザーファイバーを通してレーザーを照射する治療法である。ヘルニアを起こして脱出している髄核ではなく、線維輪の中にとどまっている髄核の一部を熱で焼き、蒸散させて空洞を作る。この空洞によって椎間板の内圧が下がり、後方に飛び出ていたヘルニアが引っ込み、神経を圧迫しなくなるという仕組みである。腰椎だけではなく、頸椎の椎間板ヘルニアにもこの治療法は適応されている。
医療機関によって違いはあるが、レーザーの照射時間はおおむね15分以内で、治療時間は合計で1時間もかからない。局所麻酔による治療のため体の負担が少なく、術後2〜3時間の安静が必要だが、原則的に日帰りまたは1泊2日の短期入院となっている。術後の診察を受け、経過がよければ何度も通院する必要はない。デスクワークなら3〜4日後に職場復帰することも可能である。
PLDDは術後すぐに症状が軽快することが多く、そうでない場合も一ヶ月以内にほとんどの患者に改善が見られるという。また、出血や副作用が少なく、傷跡もほとんど残らない。PLDDは早期の社会復帰を可能にしただけでなく、即効性に優れた患者にやさしい治療といえるのである。
 

PLDDを導入している各医療機関によれば、その成功率は60〜80%だという。なかには的確な穿刺やレーザー照射、正確な診断により、90%の成功率を誇る医療機関もある。一般的なヘルニアになってから期間が短いものほど有効性は高く、早期治療により大きな効果が期待できる。
しかし、患者の何割かはPLDDで症状の改善が見られず、また軽快しても再発する可能性はあるが、その際には再度レーザーを照射することで改善がみられることもある。2度のレーザー照射でも効果が期待できない症例としては、古くなった椎間板ヘルニアの硬化などがあり、この場合には内視鏡や手術によるヘルニアの切除に切り替えられる。
また、椎間板の線維輪を突き破った髄核が途中で切れ、中心部の髄核とつながっていない状態ではPLDDを適応することはできない。過去の切開手術をつけている場合や高度な脊柱管狭窄症の患者も不適応である。
PLDDはすべての椎間板ヘルニアに効果があるわけではなく、保険が適用されないため一般に約80万円の医療費が全額自己負担となる。しかし、再発するとその後の治療の選択枠がが少なくなる手術に対して、PLDDは手術をはじめとするさまざまな治療法を後に選ぶことができる。一般は椎間板ヘルニアの完治は難しく、いずれの治療も再発する可能性があることを考えると、まずは低侵襲治療のPLDDを試してみる価値が十分あるだろう。